THUMB & PINKY

中丸に似てるなって言われて嫌で泣いちゃう光くんがみたい

田口淳之介という人。


フェニックスが死んだ。

私のジャニヲタ人生はKAT-TUNがなければ始まらなかった。
KAT-TUNを好きになってしまった。気づいたら大好きだった。それと同時にたくさん悲しい思いをした。今までも辛いことはたくさんあったのに、今なんでこんなに辛いのか。
メンバーを失う悲しみを、シンメを失う悲しみを、別れを知っているのに離れようと思ったのはどうしてだろう。そんなこと一ファンが考えたって仕方ない。だから好きに書かせてもらう。




田口くん。


KAT-TUNのことが好きですか?
quarterのとき何を思って泣いていたのですか?
なぜ今なのですか?

私はあなたを一番好きと言えなかった。中丸くんが好きだったから。
だけど、KAT-TUNを好きになった時から、顔がかっこよくてスタイルも良くて歌声も良くてダンスもうまくてアクロバットもできて演技もできて笑顔が素敵で何よりファンを大切にしてくれて、ジャニーズ事務所で一番かっこいい人だと誰彼構わず言って、私の中であなたが一番だった。
一番好きではなかったけど、それでも一番だと思ってた。
コンサートに初めて行って初めてファンサしてくれたのもあなただった。人一倍大きい身体で人一倍笑顔で会場全体に大きく手を振り、踊っていたのもあなただった。あなたを見るだけでこちらまで幸せになるような、一緒にコンサートを作っているような気持ちにしてくれたのはあなただった。あなたが幸せそうに踊っているだけでコンサートに来た甲斐があると思わせてくれた。この人はアイドルになるべくしてなったのだとずっと思っていた。
赤西くんが抜けた時も聖が抜けた時も笑顔で大丈夫だよって言ってくれたのもあなただった。その穴を歌の向上という努力で埋めてくれたのもあなただった。赤西仁を失い、田中聖を失ったメンバーに優しさをくれたのはあなただった。上田くんが愛情を注いだのも、亀のツンデレも、中丸くんのちょっぴり痛烈な言葉も全部受け止めてくれたのはあなただった。




なのに、ベストアーティストでのあんなに目の奥に強い意志を持った田口くんは、私の知ってる人じゃなかった。私はあんな人知らない。そして私の知ってるKAT-TUNじゃなかった。私は他人を見ているのか?この人達は誰だ?

田口くんの発表のあと、当然のように亀がコメントを求められた。いつだってKAT-TUNのソレは、”亀梨和也”に降りかかる。彼は何度謝ったのだろう、何度自分を責めたのだろう。もう二度と震える声を聞きたくなかった。それでも時間は止まらない。
みんなが待ち望んでいたテレビでのDead or Alive。本当に生きるか死ぬかの瀬戸際にいる人たちが歌うなんて。
声が震えて歌えていない亀、今にも泣きそうな声を振り絞る上田くん、まるで全身から力が抜けたように踊れなくなった中丸くん、いつもダンスから感じられる笑みを無くしても前を向いていた田口くん、あんなKAT-TUNを見たのは初めてだった。

私は中丸くんを見て初めて怖いと思った。普段から死んだ魚の目と称されている彼の目が、本当に何も写すことなく、彼がカメラを見ることはほとんどなかった。私は中丸くんのダンスが、KAT-TUNの中で市ヶ谷が楽しそうに踊っているのを見るのがとても好きだった。スタイルのいい二人のシルエットが好きだった。現実味のなかった悲しみが襲ったのはそれに気づいてからだった思う。さらに番協のレポに中丸くんが泣いていたとあった。本当であってもそうでなくても泣いていたと見えること自体が問題で、中丸くんが泣くことの重みをうまく頭が理解してくれなかった。

田口くんがしっかりとパフォーマンスしようとしているのを自分だけすっきりしているという人がいたが、私はそう思わない。私の勝手な憶測だけど、彼はKAT-TUNの中で誰よりアイドルでいようとした。しっかり前を向いてパフォーマンスしなければそれこそ失礼なことだと考え、いつも通りにしたかったんだろうなって勝手に解釈しておくね。




きっと私が知らなかっただけで田口くんには色々な気持ちがあったのだと思う。それは他のメンバーだってそうだろうし。だけど、彼はアイドルでいることにこだわりを持っていた。そのことがどうしても私の頭から離れない。彼にとってファンに見せる顔が完璧なことは当たり前のことだった。(小嶺さんのことは今必要な話ではない)ぶっちゃけ私生活なんてエグいこと知りたくないし、私はアイドルにアイドルらしさを求めるからそれでよかった。本当に私にとってはアイドルとして完璧だった。
KAT-TUNをとったら何も残らないといっていたことも、偽りだったとは思いたくない。だから悲しい。天職を辞めて一般人になるなんて、自分の才能を潰すなんていう異常性を彼自身が自覚していないことが気持ち悪い。

赤西くんが辞める時は諦めがあった。
聖が辞める時は怒りがあった。
なのに、田口くんが辞める時は悲しみしかない。

嫌いになれたらよかったのに。
嫌いなところが見つからない。悔しい。どうしてこんなに田口くんが好きなんだろう。こんなに好きにさせといてあと半年もしないでいなくなるけどよろしくねなんて酷すぎる。それでも私は彼がくれたたくさんの笑顔や幸せを忘れたくない。
そしてわがままな私はこれからもKAT-TUNを好きでいたいからKAT-TUNが残ることを望む。解散なんて許さない、そんなことしたら今度こそ全員嫌いになってやる。



田口くん。
私は辞めてく人間と残る人間が共存する道はないと思ってる。
だからあなたがKAT-TUNからいなくなってもさよならなんて言ってあげない。

一生死ぬまでKAT-TUNであったことを背負いながらあなたの人生を生きていけばいい。